RENAISSANCE Colors

ルネサンスより

【持田さんが回答!】その悩み、水泳の達人に聞いてみよう!(後編)

皆さまから寄せられた多くのご質問に対し、オリンピック出場経験を持つ持田さんが丁寧に回答してくださいました!

水泳技術の向上に役立つアドバイスや、オリンピック選手になるために必要な心構え、さらに息継ぎやトレーニング方法に至るまで、持田さんならではの視点でお答えいただいています。

ぜひ今後の参考にしていただければ幸いです(^^)/
>>前半はこちら<<

持田 早智(もちだ さち)
学生時代はルネサンス所属の競泳選手として活動し、新卒でルネサンスに入社。
現在はスクールの指導や競技選手の育成に取り組んでいる。

【実績】
・リオデジャネイロオリンピック 決勝進出
・日本選手権2018 優勝
・アジア大会2018 銀メダル
・パンパシフィック選手権2018 銀メダル 


Q12.クロールのストロークの戻りを早くするようにコーチから指導されています。早くするにはどうしたらよいですか?また、バタフライのキックも、キックを早くするように言われています。キックを早くするにはどうしたらよいですか?

クロールのストロークの戻りは、力が入りすぎると動きがぎこちなくなってしまいます。リラックスして、腕を脱力することでスムーズに動かすことができるようになると思います。
バタフライのキックについても、足先に力を入れすぎるのはよくありません。力を入れるべきは、お腹とお尻です。これを意識してキックすることで、より効率的に速い動きができると思います。

Q13.50メートルクロールのタイムを速くするにはどうしたらよいですか?

ひとつひとつ習ったことがしっかりとできているか確認することが、タイムを速くするための方法だと思います。
スタートやけのびの姿勢、キックの打ち方、呼吸法など、細かく見直すポイントはたくさんあります。それぞれの動作を確認し、改善できる部分がないか意識して取り組んでみてください。

Q14.アレルギーと喘息があり、水泳で体や気管支、メンタルを強化するために習い始めましたが、毎月風邪ばかり引いてしまい、レッスンに全然出席できていません。本人の性格上、やめるとは言わないものの、「休めてラッキー!家で自由に過ごすほうが好き」という本音があるのか、全く「レッスンを休んでしまって級がなかなか上がらない、悔しい!早くレッスンに行きたい!」という気持ちは見られません。

もっと泳げるようになりたい、楽しい!と思ってもらえるように、レッスン自体はもちろん大変なこともあると思いますが、できるだけ本人に無理がなく、かつモチベーションを高めるためには、どのようなサポートや声かけが必要だと思われますか?

ちなみに私は泳ぎが苦手です。スイミング教室には通ったことがなく、水辺では自分で自分の身を守ることができません。そのため、「ママは水の中では君を助けられないから、自分で泳げるようになってね」と、やんわりと伝えています。それについては本人も理解しています。プール遊びは好きなのですが、レッスンになると少し楽しくないと言います。(そんなものかな、と私は思うのですが、どうフォローすれば良いのか分からないです)

私がまだ選手ではなく、普通にスクールに通っていた頃は、「進級したい」「上達したい」という気持ちはあまり強くなかったように思います。どちらかというと、母やコーチに褒められるのが嬉しくて、認めてもらえていると感じながら楽しく通っていた記憶があります。今でも、あの頃コーチに褒めてもらったことをよく覚えているくらいです。

母には、「今日は何ができるようになった」とか「次はこんなことを習うんだ」という話をよく聞いてもらっていました。また、幼少期には進級やタイムなど目標を達成したら、アイスや新しいゴーグルなどのご褒美がありました。よく「物で釣るのは良くない」と言いますが、幼少期の私はそうしたご褒美がモチベーションになっていました。それが良いかどうかは分かりませんが。

大人でも、頑張る理由を理屈で考えるよりも、誰かに褒めてもらったり、認めてもらったり、「これを達成したら美味しいものを食べに行こう」などのご褒美を設定する方が、頑張れることもあると思います。私の幼少期の経験も、決して間違いではなかったのかなと思います。

もうすでに色々工夫されているとは思いますが、私の経験が少しでもお役に立てば嬉しいです。

Q15.私は脳性麻痺の9歳、小学4年生の女の子です。3歳で歩けるようになり、ルネサンスの親子スイミングに入会して、4歳からジュニアコースで平泳ぎを練習しています。足に麻痺があり、思うように泳げませんが、コーチたちのおかげでスイミングが大好きになりました。パラリンピックを目指したいと考えていますが、ルネサンス出身のパラリンピック選手はいますか?どんな課題を乗り越えて頑張ればいいのか、また、どんな目標を持てばよいか教えてください。

ルネサンスからパラリンピックに出場した選手は今のところいませんが、最近はパラリンピック水泳にも力を入れたいと考えているコーチがいるのは事実です。私はこれまでにパラの選手と交流したり、練習したりした経験があります。どの選手も水泳が大好きで、高みを目指して日々自分自身と向き合っている点では、パラリンピック選手もそうでない選手も同じです。

私はパラリンピックならではのアドバイスはできませんが、世界で戦った選手として、また先輩として、いくつかアドバイスさせていただきたいと思います。
まず、自分の得意なことや不得意なことをしっかり理解し、得意なことをたくさん頑張ってほしいです。不得意なことやできないことを克服することも大切ですが、私は得意なことや好きなことを伸ばし続けた結果、ここまで来ることができたと思っています。

もう一つ大事なことは、自分で立てた目標を自分の努力で達成することです。
保護者の方には、目標を決めるのではなく、ヒントを与えていただけると良いと思います。
例えば、「地域の水泳大会があるみたいだよ」や「この学校にはパラリンピック選手がいるらしいよ」といった情報を伝えることで、本人が水泳大会での目標を設定したり、学校に入るために何を頑張れば良いかといった具体的な目標に繋がっていくのではないかと思います。
ルネサンス初のパラリンピック選手になれるよう、心から応援しています!レッスン頑張ってくださいね!

Q16.最近、災害が多く、海や川に落ちた場合に泳げなければ助からないと思い、ルネサンスでスイミングスクールに通っています。
着衣で何も持たない場合に、①上向きで平泳ぎをする、②巻き足で長く水中に浮かぶ、③じっと上向きで浮かぶなどの方法があると聞きましたが、素人が比較的長い時間浮かんでいるためには、普段どんな物を持ち歩けば良いのか、また、どの泳ぎ方や浮かび方が適しているのか教えていただきたいです。

まず、なるべく力を入れず、上を向いて浮かぶことが大切だそうです。慌ててバシャバシャしてしまうと、すぐに体力の限界を迎えてしまうので、助けが来るまで体力を温存しながら待つのが良いとのことです。

それでも波があったり、水を飲んでしまうと人はパニックになりやすく、長年泳いできた私でも川や海はとても怖いです。水の怖さはよくわかっているつもりなので、自分だったら大丈夫だろうと思うことはありません。ですから、水辺に遊びに行くときは必ずライフジャケットを着用しています。

「そんなに泳げるのに!」とよく驚かれますが、自分の命は自分でしか守れないと思っているからです。その他、ペットボトルなど空気の入るものを持っていると、いざというときに助かることも多いと聞くので、手元にあると安心かもしれません。

Q17.ジュニア選手育成時代、日々の練習を保護者の方々はどのようなスタンスで見守ってくださっていましたか?
例えば、毎日観覧に来て見守っていたのか、保護者の方々とも頻繁に連携を取り情報交換をしていたのか、それとも、送迎だけをして練習内容には口出しせず、観覧にも来ず、一歩引いて見守っていたのか、といった点についてお聞きしたいです。


私の両親が練習を見に来たことはほとんど無かったと思います。
夜が遅かったので送迎はしてくれていました。どんな練習をしたやコーチに怒られたなどの話は一切したことがなかったので、練習内容に関してもなにか言ってきたことはありませんでした。
あくまで私がやりたいことを応援してくれているというスタンスで、1歩引いて見守ってくれていたと思います。

Q18.息継ぎがうまくできる方法を教えてください。

しっかりと息を吐くこと、そしてリラックスすることが大切です!息をしっかり吐けていないと、吸っても苦しくなってしまうので、深呼吸をするように息をしっかり吐くことを意識してみてください。また、「息を吸わなきゃ!」と一生懸命になると体に力が入ってしまい、体が沈んでしまうので、なるべくリラックスした呼吸を心がけることもポイントです。

Q19.平泳ぎのキックですが、すぐに下半身が沈んでしまい、うまく進めません。どうすれば良いでしょうか?

体に力が入ってしまっているか、キックの推進力が足りないのが原因かもしれません。足先に力が入ると沈みやすくなるので、キックが終わった後はお尻を引き締め、足先をリラックスさせることがポイントです。

また、キックはかかとではなく、母指球(足の親指の付け根あたり)で水をとらえることが大切です。足を閉じるまで母指球に重みを感じられるようなキックができるようになると、推進力がぐっと上がると思います!

Q20.学生時代に少し水泳をしており、この年齢になって再び水泳の世界に戻ってきたリターンスイマーです。
マスターズ大会などにも参加するようになりましたが、飛び込みがとても苦手です。練習場所も限られており、試合前の公式練習で少し練習している程度です。深く潜りすぎてしまったり、ゴーグルが外れてしまったりします。何より、飛び込み台に立ったときに「飛び込み、大丈夫かな」と不安になり、泳ぎそのものが硬くなってしまいます。
練習あるのみだとは思いますが、練習場所が限られているため、何からどう改善すれば良いのか分からずにいます。飛び込み時に意識すべきことや、ゴーグルの付け方のコツなど、飛び込みに対するアドバイスをいただけないでしょうか。

手軽にできて効果的な練習方法は、イメージトレーニングです。できるなら、自分と上手な人の動画を見比べて違いを見つけ、それを改善するイメージを繰り返すことが重要です。

飛び込みのポイントとしては、構えたときに前足に体重を乗せること、飛び出すときには前足をしっかり使って飛ぶこと、水に入るときに顎を引きすぎないこと、そして飛び込んだ後の動きもイメージしながら飛ぶことが大切です。

ゴーグルに関しては、骨格に合う・合わないがあるため、外れてしまうのは飛び込みだけの問題ではないかもしれません。じっくりイメージし、実際に試してみる。この繰り返しが上達への近道です!

Q21. 持久力をつけたいです。まだ初心者で、1時間以上泳げず、すぐに疲れてしまいます。年齢の影響もあるかもしれませんが、ダイエットもしているので、続けて泳ぐにはどうしたら良いでしょうか?

泳ぎが上達することも、長く泳ぎ続けるための一つの方法ですが、体を柔らかくすることも効果的です。硬い関節を動かすのは多くのエネルギーを消費してしまうため、普段疲れやすいと感じる部分のストレッチを継続して行ってみてください。


持田さんのアドバイスを参考に、ぜひ実践してみてください🏊
皆さまの質問に対する持田さんの回答を通じて、新たな発見や改善のヒントが得られることを願っています🌈

[関連リンク]
【質問募集】「その悩み、水泳の達人に聞いてみよう!」
【持田さんが回答!】その悩み、水泳の達人に聞いてみよう!(前編)

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