横浜マラソン完走を目指し、ランニングに挑戦中の元オリンピアン・持田早智さん。
トレーニング開始から約2ヶ月が経ち、13kmを走れるまでに成長する一方で、梅雨や暑さ、育児や仕事との両立など、思うように走れない日も増えてきました。
そんな中、持田さんが実感しているのが、「100%できなくても、できることを続ける大切さ」です。
では、雨や暑さで思うように走れない季節を、ランナーはどのように乗り越えればよいのでしょうか。
夏にパフォーマンスが下がる理由や、暑さの中でも安全に運動を続けるための工夫、そして“ゼロにしない”トレーニングの考え方について、ランニングマスターの髙橋良コーチに聞きました。

春にランニングを始めて、「走ることが楽しくなってきた」と感じていた方にとって、梅雨や夏は最初の大きな壁かもしれません。
雨で外に出られない。
晴れたと思ったら暑すぎて走れない。
いつもと同じペースなのに、心拍数が上がって苦しくなる。
そんな日が続くと、「自分はランニングに向いていないのかな」「せっかく続いていたのに」と焦ってしまう方もいると思います。
でも、一般の方が雨や暑さの中で、無理に決めたメニューをやり切る必要はありません。
大切なのは、その日の環境に合わせて、できることを探すことです。
夏にいつものペースで走れないのは当たり前
夏のランニングが苦しく感じるのには、身体の仕組みによる理由があります。
一つ目は、心拍数が上がりやすくなることです。
暑い環境では、身体は体温を下げるために、皮膚の表面へ多くの血液を送ろうとします。すると、心臓へ戻る血液の量が減るため、心臓は心拍数を上げて全身への血液循環を補おうとします。
持田さんも「暑いと勝手に脈が上がる感じがする」と話していましたが、まさに身体が体温を調整しようとしている状態です。
二つ目は、エネルギー効率が下がることです。
体温が上がると代謝が増え、同じペースで走っていても、涼しい時期より多くのエネルギーを使います。呼吸も激しくなりやすいため、脚の筋肉へ届けられる酸素も少なくなります。
三つ目は、脳が身体にブレーキをかけることです。
身体に熱がこもると、脳は「これ以上頑張るのは危険だ」と判断し、運動を抑えようとします。
つまり、夏にペースが落ちたり、いつもより早く疲れたりするのは、気持ちが弱いからではありません。
身体が自分を守ろうとしている、自然な反応です。
夏は「いつもどおり」を目指さない

本格的に記録を狙うランナーであれば、雨や風もレースを想定した経験の一つになります。
ただ、運動習慣としてランニングを楽しむ方や、始めたばかりの方が、無理に厳しい環境で走る必要はありません。
「暑くて走れない」と感じたら、まずは走れる環境を探してみてください。
- 朝や夜など、比較的気温が低い時間へ変える。
- 日陰の多いコースを選ぶ。
- スポーツクラブのランニングマシンを使う。
- 冷却グッズを取り入れる。
それでも厳しい日は、無理に走らなくても構いません。
ランニングは、必ずしも一年中、屋外で走り続けなければいけないスポーツではないと思っています。
ただし、何もしない日が長く続くのではなく、走る以外の運動へ置き換えることは意識してほしいと思います。
ゼロと1の差は、とても大きい
僕が皆さんによくお伝えしているのが、「ゼロと1の差は大きい」ということです。
100%のトレーニングを毎回行う必要はありません。
でも、何もしない日が続くと、目標から少しずつ離れてしまいます。
- 10分だけ筋力トレーニングをする。
- スクワットをする。
- 姿勢や身体の使い方を整える。
- 少し歩く。
それだけでも十分です。
持田さんも、外を走れない日は髙橋からお渡ししている筋力トレーニングに取り組んでいます。
- 短い距離でも走る。
- 走れなければ筋力トレーニングをする。
そうした小さな積み重ねが、13kmを余裕を持って走れたという変化につながっています。
夏に積み重ねた筋力や動きづくりは、涼しくなって再び走り始めた時に必ず生きてきます。
暑い中を走るなら、体温を上げない工夫を
夏のランニングで最も重要なのは、体温の上昇をできるだけ防ぐことです。
そのために意識してほしいのは、次の5つです。
1.走る前から水分を補給する
汗をかいて身体の熱を逃がすには、身体の中に十分な水分が必要です。
喉が渇いてから慌てて飲むのではなく、走り出す前から水分を補給しておきましょう。
2.直射日光を避ける
日陰のコースを選んだり、帽子や日光を遮るウェアを活用したりして、外から受ける熱を減らします。
朝早くても日差しが強い日があります。時間だけではなく、日陰の有無もコース選びのポイントです。
3.汗を乾かして熱を逃がす
汗は、蒸発する時に身体の熱を奪います。
そのため、通気性や吸汗速乾性の高いウェアを選ぶことが重要です。
薄着にすれば涼しいと思われがちですが、肌を直接日差しにさらすより、機能性のあるウェアで覆った方が、遮熱や放熱につながる場合もあります。
4.走る前に身体の中を冷やす
走り始める前に冷たいドリンクを飲むなど、あらかじめ深部体温を下げておくことも有効です。
運動中のドリンクは、冷たすぎない5~15℃程度が一つの目安になります。
5.皮膚の表面を冷やす
皮膚の温度が下がると、皮膚表面に血液が集まりすぎるのを抑えられます。その結果、全身の血液循環が保たれ、心拍数も上がりにくくなります。
水で濡らして使うウェアやアームスリーブ、首や頭部を冷やすアイテムなどを活用する方法もあります。
夏こそランニングマシンを活用する

暑さ対策をいろいろ考えることも大切ですが、一番シンプルなのは、室内のランニングマシンを使うことです。
ランニングマシンは天候や気温に左右されません。
また、ペースを一定に保ちやすく、傾斜をつけることで上り坂のトレーニングもできます。
外で坂を上れば、必ず下らなければいけません。下り坂は脚への負担が大きいため、膝に不安がある方にとっては心配な要素になります。
その点、ランニングマシンなら、下り坂の負担を避けながら上りのトレーニングができます。
フォームづくりにも効果的です。
持田さんにも傾斜をつけたランニングマシンで走ることを提案していますが、最初の頃と比べると、今ではフォームが見違えるほど良くなってきました。
持田さん本人はランニングマシンが苦手だと話していますが(笑)、夏場を乗り越える選択肢として、少しずつ取り入れてもらえたらと思っています。
情報を集めるだけでなく、自分に合う方法を選ぶ
持田さんの強みは、もらった情報をそのまま実践するだけではなく、自分に必要な形へ組み替えられることです。
例えば、脚の筋力を高めるトレーニングを行った時に、姿勢がぶれることへ自分で気づき、先に体幹トレーニングを取り入れてから、脚のトレーニングを行っていました。
「このメニューをやること」自体が目的なのではなく、「必要な部分を正しく鍛えること」が目的だと理解しているからこそできる工夫です。
世の中には、ランニングに関する情報がたくさんあります。
まず試してみることが大切です。
そのうえで、自分に合うか、自分の生活の中で続けられるかを考えてください。
すべての情報を実践する必要はありません。
目的を理解し、自分に必要なものを選びましょう。
やれる時に、やれることを、やれる分だけ
天候や気温、仕事、育児など、自分ではコントロールできないことはたくさんあります。
持田さんも、お子さんの体調不良で1週間走れないことがありました。
そんな時に無理をして走りに行っても、良い結果にはつながりません。
その環境の中で、今できることは何かを考える。
- 走れないなら筋力トレーニングをする。
- 外が暑ければ室内で走る。
- 時間がなければ10分だけ身体を動かす。
100点を目指さなくても大丈夫です。
この夏の目標は、やれる時に、やれることを、やれる分だけ続けること。
その小さな積み重ねが、涼しくなった時の走りやすさや、秋のマラソン完走につながっていきます。
一緒に夏を乗り越えましょう!
一緒に夏を乗り越えましょう!

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投稿を表示やれる時に、やれることを、やれる分だけ
継続は力になり、だと思います!
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投稿を表示こんにちは。わたしも投稿を拝読しました。
良さんの「ゼロと1の差は、とても大きい」というお言葉、とても重みがありますし、非常に共感しております。
おっしゃるとおり、今はできることをコツコツやっていこうと思います。溶けるような暑い夏ではありますが、決してゼロにならないように、今のがんばりを秋以降に繋げていけるように💪
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投稿を表示おつかれさまです😊
投稿拝見させて頂きました。
5月に入院&手術を経験して、ルネサンスに復帰しつつありますが、退院後に疲れやすくなってしまったのか、どうしても以前のペースを中々取り戻せずにいましたが、「1でも良いからゼロにしない様に」焦らずにトレーニングを続けていきたいと思います☆
ルネのリレーマラソンイベントにも参加したいと思っていますので、ここから3ヶ月かけて、当日は自分なりに頑張れる様にしたいと思っています。
୧( ˵ ° ~ ° ˵ )୨✨
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投稿を表示マラソン大会は残念ながら大雨の日も寒い日もありますので、一度は大雨の日に走ってみるのもいいかと。雨でシューズが重くなったり、足裏の皮というか水ぶくれができたり、ゴールして止まったら寒さを感じたりいろいろことがあります。
もちろん風邪引いたりしない程度で